ロータリーボイス

ポリオ撲滅の実現がソーク博士とセービン博士への恩返し

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(本記事は、ロータリー・インターナショナル・ポリオプラス委員会のジョン・セバー副委員長による講演からの抜粋です(Rotary Voicesブログに2014年に掲載)。本講演は、世界ポリオデーとソーク博士生誕100周年に寄せて、ポリオワクチン発明者であるジョナス・ソークとアルバート・セービンの功績をたたえるInnovations in Healthcareシンポジウム〔2014年10月23日、於ニューヨーク〕にて行われました。)

私は幸いにも、学会や国立保健研究所にある私のオフィスで、ソーク博士とセービン博士とお目にかかる機会に恵まれました。

特に記憶に残っているのは、1960年代にフロリダで開かれ、セービン博士と私が発表をした学会でのことです。初日の朝、妻と朝食のためにホテル階下に降りると、一人で朝食を取っていたセービン博士が一緒に食べようと誘ってくれました。博士は、キューバの医師たちが経口ポリオワクチンを新しい方法で使っているとの報告に喜んでいました。これらの医師たちは、わずか数日間でキューバの全児童にワクチンを投与したのです。このアプローチなら、子どもをポリオから守るだけでなく、キューバでポリオ撲滅が可能であることが示されました。

 世界からポリオをなくす

セービン博士は、このキューバからの報告に興奮気味でした。「ポリオウイルスによって引き起こされるまひ性灰白髄炎を、迅速かつ完全に世界から撲滅できる」と、この方法を熱心に支持していました。その後、世界各地で実施される一斉予防接種日には、このアプローチが使われるようになりました。

これまでロータリーとパートナー組織が全国予防接種日で使用してきたセービン博士開発の経口ポリオワクチンがなければ、ウイルスを撲滅寸前にまで追いやることはできませんでした。撲滅キャンペーンの最終局面では、ウイルスを永遠に封じ込めるために、注射で投与するソーク博士開発の不活化ワクチンが使われることになります。

まさに、現代医学の2人の巨匠がもたらした最大の恩恵といえます。

「ポリオプラス」の始まり

ロータリーは1979年にポリオ撲滅の取り組みを開始しました。天然痘が撲滅されたことを知った当時のクレム・レヌーフRI会長が、新しいロータリーの人道的補助金プログラムを使って同規模の目標に挑むことを考えたのです。当時ロータリアンとして活発に活動していた私は、国際衛生研究所の感染病部門の責任者だったこともあり、レヌーフ会長から意見を聞かれました。

私は、ロータリーがポリオ撲滅プログラムを立ち上げ、世界中の子どもにポリオの予防接種を実施することを勧めました。世界のほぼすべての国にロータリークラブがあり、当時100万人ほどの会員がいましたから、ロータリーほど、何百万もの子どもへの経口ポリオワクチン投与を効果的に支援できる組織はないと考えました。

セービン博士との緊密な協力の下で1985年にポリオプラス・プログラムが発足されて以来、ポリオ撲滅活動は驚異的な進展を見せました。2013年の全世界のポリオ症例数は420件を下回り、プログラム発足当時よりも99%以上減っています。野生型ポリオウイルスが今も存在するのは、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3カ国を残すのみとなっています。

歴史をつくる

目標達成が間近となった今も、ワクチン投与者への襲撃、エボラなどの新たな脅威、寄付への疲弊感など、多くの課題が残されています。しかし私たちは、これまでと同じ決意と粘り強さをもって一つひとつの課題に臨んでいきます。支援者の皆さま、特にドナー国政府の皆さまに対しては、本当にあと少しで歴史をつくれるのだと申し上げます。

「ポリオのない世界」の入り口に来た現在の状況を、ソーク博士とセービン博士はきっと誇らしく思ったことでしょう。二人の才能が一つになったとき、ポリオを世界から根絶する手段が私たちに与えられました。今日の私たちは、両氏に対し、また世界の子どもに対して、ポリオ撲滅の約束を果たす義務があるのです。

セバー博士のインタビュー動画はこちら


【著者
介】
ジョン L. セバー

ポトマック・ロータリークラブ所属(米国メリーランド州)
インターナショナル・ポリオプラス委員会副委員長
ジョージ・ワシントン大学医学部(小児科・微生物学)およびHealth and Children’s National Medical Centerの名誉教授

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