安心安全な街づくり ~スマホを活用した徘徊高齢者の捜索

寄稿者:浜本博志(大津中央ロータリークラブ)

Otsu Chuo RC 1「全国で1万5千人を突破」 この数字を見て何の人数だと思われましたか?これは2016年に認知症等による原因で行方不明になった人の全国総数です。警察庁が、認知症が原因と思われる行方不明者の統計を開始した2012年から、毎年その人数は増え続けており(2012年は9,607人、2016年は15,432人)、この5年間で1.6倍に達しました。世界的に見ても稀有である「高齢化社会:日本」を象徴しているともいえます。

私の暮らす滋賀県でも、昨年こんな事がありました。軽度の認知症だった高齢男性が、行き慣れた診療施設に行くといって、自転車で出掛けたまま行方が分からなくなったのです。ご家族や関係者の方々は、色々な手を尽くして探しました。もちろんSNSなどでも呼びかけましたし、警察や公的機関なども捜索しました。しかし、最終的には、15kmも離れた場所で亡くなられた後に見つかるという悲しい結果となったのです。ご家族は、この方が「ご自宅を出て右に行ったか、左に行ったかもわからず、探すための手掛かりが何もなくて途方に暮れた」と言っておられました。高齢者が街なかを自転車で走っていても、誰も気にも留めないし、近所の人ですら「顔を知らない」といったことも日常的になっているのかもしれません。それほど地域コミュニティーも希薄になりつつあるのかもしれません。

そんなこともあって、私が所属する大津中央ロータリークラブでは、昨年から『安心安全な街づくり』の取り組みを始めました。昨年は、認知症等の徘徊高齢者に対象を絞って『徘徊高齢者の捜索実証実験』を実施。これは、ビーコンという発信機と、これを検知するためのアプリをインストールした市民のスマホを活用して、行方不明者を探し出すというシステムの実験です。地元企業である株式会社ナスカが開発し、現在実用化が進んでいます(http://www.mitukete.net/)。実証実験には、地元自治体や警察機関などからも参加していただき、その有効性を実感できる成果をあげました。

そして今年11月25日には、捜索対象を高齢者だけではなく、子供にも広げて、実証実験事業を実施しました。同日にステージイベントやマルシェも開催し、高齢者のいるご家族だけではなく、子供をもつ親や、地域住民の方々にも多く参加してもらいました。参加者からは「このようなシステムが広く世間に認知されれば、本当に安心な街になりそうだと実感した」という声も聞かれました。今後は実証実験だけではなく、自治体と協力し、市内各地区で、このシステムや認知症への理解を深めていくための普及・講演活動に力を入れていき、実用化へつなげていければと考えています。

Otsu Chuo RC 2

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また地元のマスコミからも多く取り上げていただきました。

日本のロータリーは、従来の活動に加えて、これから迎える『超高齢化社会』への備えが必要であるだけでなく、希薄になりつつある「地域コミュニティー」の再構築につながる活動にも、世界に率先して貢献する時がきているのではないかと考えています。

【参考記事】
>> 高齢者の“お守り”「救急リレーバトン」 
>> いじめのない社会を目指す『青い鳥』プロジェクト
>> 親子のニーズに応える「子ども食堂」

【最近の記事】
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