米山奨学生の視点から【2】:日本のリハビリ医療をアフリカで生かす

寄稿者: アドゥアヨム・アヘゴ・アクエテビ(米山奨学生、トーゴ出身)

私は、最新の義肢装具と福祉機器を研究するため日本に来ました。2013年に新潟医療福祉大学大学院に入学し、2年目に米山奨学生として研究に打ち込み、現在、博士後期課程で三次元動作解析装置*を用いた研究を進めています。Ahego 1
* 関節の動作を細かく記録する装置

下肢の切断、依存、孤立

研究の一環で、アフリカでの義肢装具に関する現状を調査しました。

サハラ以南のアフリカには7,800万人を超える障がい者がいます。しかし、リハビリ施設が不足しています。義足を買おうにも、高価であるため購入は困難となります。

ガーナに限ると、ケアを受けている障がい者はわずか5%。外傷、病気または先天的変形によって下肢を失い、支援を受けられないと、いずれは切断、依存、孤立へと追いやられます。貧困に苦しみ、家族、地域社会、国にとっての大きな負担ともなります。

義足がもたらす自由と自立への道

下肢を切断された人にとって第一の課題となるのが、社会復帰です。しかし、支援施設と義肢装具教育、そして義肢装具士が不足しています。この不足は、ガーナとアフリカでの開発が遅れる原因ともなります。まずは、義足を提供することが必要です。

交通事故によって右下腿を切断した32歳の男性は、足を失ったため仕事に就けず、お金がないので義足をもつこともできませんでした。その苦しみは、彼の家族にも及んでいました。

私は、義肢装具士として何かできないかと考え、中古の義足部品を再利用して作った義足を提供しました。この義足により、自らの足で立つ自由、そして社会的自立への道が開かれました。

Ahego 2この取り組みは、私が2016年に開設した義肢装具のサテライトオフィスを通じて行われたものです。日本で中古の義足パーツを入手し、アフリカで義足を提供しています。今後は、シリコン義手(写真)の技術を紹介し、義肢装具の研修所を設立するほか、セミナーやワークショップも行う予定です。

日本の医療技術を懸け橋にして

私は、日本で学んだ知識とスキルを生かして、トーゴだけでなく、アフリカ全体での義肢装具分野の発展に貢献したいです。また、次世代の研究にも貢献し、少しでも医療、福祉、スポーツの分野と社会発展に貢献したいと感じています。日本の医療技術は、日本とトーゴの国際交流の懸け橋となるでしょう。Ahego 3

新発田城南ロータリークラブ(新潟県)の会員の皆さんと、カウンセラーである長谷川寿一さんには、いつもお世話になっています。留学当初は学費と生活費を支払うためのアルバイトで大変でしたが、米山奨学金のおかげで勉学に専念できるようになりました。

アトランタでの2017年ロータリー国際大会の際(写真)は、同クラブからの参加メンバーの皆さんが旅費を負担してくれました。クラブの忘年会や新年会にも参加させていただき、感謝の言葉もありません。

米山奨学会のおかげでロータリー会員と交流でき、私の夢を実現するための大きな力となっています。

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