“命のロータリーキッチンカー”で被災地を支援

寄稿者:中川宝星(2720 Japan O.K. ロータリーEクラブ)

2016年4月14~16日に発生した熊本・大分地震では、50名の死者が出たほか、多くの人が被災しました。石垣が崩れた熊本城の姿を記憶している方も多いのではないでしょうか。この際、世界各国ならびに日本全国のロータリークラブから第2720地区に多くの支援金を送っていただきました。まずはこの場を借りて、その際のご支援に心から感謝いたします。DSC_4270

第2720地区からは、各クラブが支援金を使用して実施する被災地支援プロジェクトの申請が出されました。その一つに、私の父が入会している人吉ロータリークラブからの「未来へ向けて走る“命のロータリーキッチンカー”プロジェクト」の申請があり、承認されました。

命のロータリーキッチンカー”とは、もともとキッチンカーとして使用されていた車を支援金で購入。全体をきれいに塗装し、ロータリーのロゴステッカー(くまモン等)も貼った世界に1台だけのキッチンカーです。

このキッチンカーで月に1度ロータリー会員や家族、地域のボランティアの皆さまが被災地に出向き被災された方たちへ食事を振る舞います。人びとと地域を繋ぐ事を目的としたもので、心身の癒しと安らぎの提供、食を核にした交流の場づくりの機会、更には自立支援への機会となるとの思いを胸にスタートし、現在2年目となりました。時には一緒に料理を作り、交流を深めながらあと約2年は活動していきます。

2017年11月、私も初めてキッチンカーに乗り仮設住宅への炊き出しへ参加いたしました。ロータリアンやその家族など計20名が参加。目的地の益城町は震源地で、近づくにつれ、道路は波打つように凸凹し、視界には住宅の屋根を覆うブルーシートが一面に広がりました。

地震の爪痕を感じながらも運転をすること約1時間、仮設住宅のある場所へ到着。その日はとても寒い日でしたので体の温まる汁物が良いのではないかと考え、地元人吉の郷土料理の『だDSC_2738ご汁』を作りました。他にもご飯を炊き、天ぷらを揚げ、温かいお豆腐も作り被災された方たちに食べて戴きました。 

私の仕事としては、主にテーブルや椅子を並べたり、食べ終わった食器を洗ったりなど裏方作業が中心で、被災された方との触れ合いは多くありませんでしたが、食器回収の際「温かくてとても美味しかったです」と笑顔になってもらえた事が本当に嬉しかったです。

このような奉仕活動を通じて地域の方たちと交流し、喜んでもらえたことは何事にも代えがたい経験となりました。

また、食材・機材・必要なものに関しましては人吉ロータリークラブ会員の企業より安価で提供して頂き、足りないものは現地近くのロータリアンのお店より購入しています。まさにロータリアン同士も協力しあい助け合う取り組みであり、ロータリーの社会的価値を再認識しました。

自分がEクラブに入会してロータリアンとなり、被災者の方々とふれあう事の出来る奉仕活動に参加・体験出来て本当に有意義だったと感じています。他にも素晴らしい活動をされているロータリークラブはたくさんあり、自分も同じロータリアンとして、活動を提案、企画し参加していきいと考えています。そして、その経験を若い世代の人たちに発信し、彼らと一緒に活動していければと考えています。

<Eクラブの利点>

私が所属するロータリーEクラブとは、基本的に通常のロータリークラブと変わりません。会員は奉仕活動を行い、ロータリー財団を支援し、親睦とネットワークを培っています。

ただ一つ、ロータリークラブとの唯一の違いにして最大の魅力は、例会をウェブサイト上で行認証状伝達式うということです。今までのように定められた曜日と時間に例会場へ出向くのではなく、パソコンやスマートフォンからウェブサイトにアクセスし、自分の時間やタイミングで例会に参加することができます。

そのため、家族や仕事上で制約がある人、頻繁に旅行や出張をする人、移動手段が限られている人などにとって、毎週例会場に足を運ぶことなく例会に参加できるのは大きなメリットです。365日24時間、日本にいながら世界中のクラブの例会に参加することができるため、Eクラブの会員だけでなく、すべてのロータリアンにとって魅力的な存在となっています。

例会内容は、文章や動画で構成されたページが毎週配信され、それらを1週間以内に閲覧・コメントを付ける事により例会出席となります。ウェブサイト上を中心に行う私たちEクラブの例会スタイルは今ではまだ珍しいと言われておりますが、これからの時代を考えると今後スタンダードになっていくのではないかと思います。

また、ロータリークラブはその地域で活動する会員で構成されますが、Eクラブでは地域に縛られることなく、全世界から会員を募ることができます。例えば私が所属する2720 Japan O.K.ロータリーEクラブの会員は、大分、熊本、福岡、大阪、東京、神奈川、スリランカ、オーストラリアと様々。2017年5月18日に日本で12番目のEクラブとして誕生し、年齢は30歳から89歳までの方が所属しています。まさに多様性を感じられるグローバルなクラブだと思います。

その他にも、ロータリアンなら誰でもEクラブの例会に出席して、欠席した例会のメークアップを行うことができます。例会の参加方法は先述の通りとても気軽なものとなっておりますので、是非一度ホームページをご覧いただければ幸いです。

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岡村泰岳パストガバナーと共に。第47回ロータリー研究会にて

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