コロナウイルスに打ち勝つための3原則

寄稿者:ジョー・オティン(ロータリー第9212地区ガバナー)

hand washing in east africa私たちの人生で世界が一転するほどの決定的な瞬間があるとすれば、まさに今がそれに当たります。人類の運命を世界的に変えた第二次世界大戦を生き抜いてきた方々が、私たちの一つ前の世代でした。歴史上、先人たちは耐え難い経済崩壊や壊滅的な武力紛争、気候の大変動など、絶望や死、破滅をもたらす衝撃的な出来事に直面してきました。

このような過去の出来事は、私たちが行動方法を見直し、既存の制度を再構築し、生き方を変えるきっかけとなってきました。

新型コロナウイルスによる人類への影響はとてつもなく大きいものです。中国での最初の発生から今日に至るまで、統計が示すように、新型コロナウイルスの世界的拡大阻止を狙った各国政府による初期対応が十分ではなく、世界は今まさにその対応に追われています。ここ東アフリカでも、国境封鎖や国内感染者の外出禁止、市民集会の中止など、ウイルス拡大に歯止めをかけようと各国政府が前例のない対策を講じています。

人類史における決定的瞬間の特徴を成すのは、危機の性質ではなく、むしろその時に人間が下す判断の適切性であると言えます。各国の政治指導者たちが感染拡大阻止のために思い切った対策を講じはじめる中、私たちロータリーも独自に判断しなければならないことがあります。これらの判断は、次の3つのシンプルな原則に基づいています。

  • 第一に、この疾病に最も大きな影響を与えるのは一人ひとりの行動であること。これには、個人の衛生習慣、ソーシャルディスタンス(人との物理的距離を空けること)、世界保健機関(WHO)によるその他のガイドラインなどがあります。ウイルス拡大防止のために、私たち一人ひとりが責任を果たす必要があります。
  • 第二に、感染曲線を平らにする政府の取り組みをサポートすること。これは、民間セクターや公共機関、開発団体、社会が一体となってこの脅威を食い止めることを意味します。
  • 第三に、希望のメッセージを人びとに伝えつつ、みんなが力を合わせてこの難局を乗り越えなければならない、また日常生活の中断は一時的であるばかりでなく、生活を継続していくために必要不可欠であるという認識を促すことです。

世界的な状況に照らし、国際ロータリー理事会は今年6月に予定していた国際大会の中止を決定しました。この危機的状況下で、これだけの規模のイベントを開催するのは適切でないと判断したのです。毎年開催される国際大会の全面的な中止は前例がなく、第一次世界大戦、第二次世界大戦の時でさえ、規模は縮小されたものの、中止は免れてきました。また理事会も、このパンデミックの克服に力を注ぎ、リソースを割り当てていくことを決定しました。予備金からの資金が世界各地の災害対応支援に充てられており、ロータリー財団もこの分野に特化したファンドレイジングに乗り出しました。

第9212地区では地区大会を中止し、顔を合わせる会合を休止するようすべてのロータリアンに指示しました。地区内会員は、すぐさま一般向けのビデオ会議プラットフォームを活用したオンラインミーティングを全面的に導入。さらに当地区の執行委員会が対策チームを立ち上げ、ケニア、エチオピア、南スーダンの行政をサポートし、パストガバナーのギータ・マネックさんもケニアとエチオピアで2万ドル以上の寄付を集めました。

ロータリークラブの存在意義と究極の目的は、助けを必要とする地域社会に寄り添い、支援することです。世界は今、かつてないほどロータリーを必要としています。今を生きる私たちは、人間の幸福に対するこれほどの脅威を打ち砕くために、これまでよりも多くの手段を有しています。私たちには、ウイルス追跡のためのテクノロジー、これに打ち勝つための科学、結束した行動を呼びかけるためのメディア、そしてウイルスという敵に反撃する勇気があります。

私たちの決意とコミットメントを通じて、世界に希望と癒しを与えることができるのです。

寄稿者紹介:ジョー・オティン。2019-20年度ロータリー第9212地区ガバナー。国連環境計画の国際ロータリー代表。デジタル広告代理店「The Collective」CEO、ケニア広告基準委員会委員長、WWFケニアの理事

【最近の記事】
>> ラダック成人女性識字プロジェクト
>> できることをできる限りする~Web例会のススメ~
>> オンライン会議を支援するEクラブ

コロナウイルスに打ち勝つための3原則」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 国際ロータリー第2510地区(北海道西部) » ポリオプラス委員会より

コメントを残す