e-waste(電子廃棄物)を雇用につなげる

1寄稿者:Merrill Glustrom
(本稿は英語からの翻訳)

今日、コンピューター機器の使用は大幅に増え、通信、ビジネス、そして情報と娯楽の方法が変わりました。このように明らかな利点があるので、コンピューターが私たちの生活で重要な場所を占めているのは当然のことです。米国では4700万世帯にコンピューターが1台、さらに4000万世帯に2台以上のコンピューターがあります。

しかし、このような情報化の陰には、次のような重大な問題もあります。

  • アメリカ人は平均してわずか4年半で、新しいコンピューターに買い換える。
  • アメリカでは毎年、237万トンを超えるe-waste(電子廃棄物)が出ている。
  • アメリカでは毎日、142,000台のコンピューターが廃棄される。
  • 廃棄コンピューターの60%、そしてモニターの67%が埋め立て地にいく。
  • e-wasteは埋め立てごみの2%、そして有害廃棄物全体の70%を占める。

リサイクルされるe-wasteの多くは、廃棄物が適切にリサイクルされない、またはゴミとして捨てられる規制不十分な国(中国など)に送られるため、これらの数値はさらに大きな懸念となります。

何万年も劣化しないプラスチックを土に埋めてしまう問題に加えて、廃棄されたコンピューターには有害物質も含まれます。多くの回路基板を備えた一般的なパソコンには、低レベルの水銀、ヒ素、カドミウム、ベリリウム、その他の有毒化学物質とともに最大8ポンドの鉛が含まれています

2これらの深刻な問題に対応して、ボールダー(米国コロラド州)のEco-Cycleで、大きな成果をあげるリサイクルプログラムが開発されました。ChaRM(Eco-Cycleの一部門)は、国内最初のe-wasteリサイクル施設で、コンピューターが確実にリサイクルされるよう特別な措置を講じています。これによりボールダーの街は、一人当たりのコンピューターリサイクルにおいて上位3都市の1つになっています。

社会起業家のビル・モリス氏は、6年前にコロラドスプリングスで非営利団体のBlue Star Recyclersを始めました。同団体は自閉症スペクトラムの成人によるリサイクル作業を導入しています。これは、e-waste問題への革新的な取り組みであると同時に、これらの成人の社会的自立を促進しています。

また、自閉症スペクトラムの人を含む障害のある成人を雇うことを通じて、次のことが証明されました:

  1. 自閉症の成人の多くは、コンピューター機器の分解のような繰り返しの作業に非常に優れており、一般の人びとより細部に注意を向けることができる。
  2. Blue Starの従業員は、ポジティブに切磋琢磨できる環境で必要とされる有賃金の作業を行うことにより、社会に貢献し、自分の才能を認識できる。
  3. 賃金が生じるため、自閉症成人を支援するための社会的コストが削減される。

4さらに2015年、モリス氏はデンバーでBlue Starのモデルを導入しました。貧困層の人たちのためにわずかな費用でコンピューターの再販売を開始し、給食提供プログラムの支援対象となっている児童に無料でコンピューターを提供しています。

ボールダー・ロータリークラブ(米国コロラド州)は、Eco-CycleとBlue Starとのパートナーシップ促進に一役買っており、会員のビジネス知識、ネットワーク、リソースを活用して、ボールダーでのBlue Starの発展を支援しています。Eco-Cycleは、Blue Starのリサイクル設備をキャンパスに設置することに同意し、リサイクルのためにコンピューターを回収・分解するための契約を結びました。プロジェクト成果は高く、社会と環境に配慮した方法でリサイクルするためのモデルとなります。

私たちの目下の目標は、この活動の概念を国内外の地域社会に広げることです。ロータリークラブは、コンピューターのリサイクル施設、そして自閉症スペクトラムの人たちと協力して、e-wasteをリサイクルするモデルを実行できるでしょう。関心のある方はぜひお問い合わせください。

寄稿者紹介:
Merrill Glustrom, member of the Rotary Club of Boulder, Colorado, USA and Treasurer of the Environmental Sustainability Rotarian Action Group (ESRAG)
(メリル・グラストロム、米国コロラド州ボールダー・ロータリークラブ会員、環境的持続可能性のロータリアン行動グループ[ESRAG]会計)

最近の記事:
>> インスタグラムのストーリー機能を活用しよう
>> “命のロータリーキッチンカー”で被災地を支援
>> アースデー(4/22)に寄せて:地球を守るクラブの活動紹介

コメントを残す